アートステージ2016が始まりました。―クロストーク報告―

2016.11.10

11月5日の朝、外は一面の雪。

ですが、「雪化粧」という言葉は、雪が日常となる札幌にはどうやら似合わないなと思いました。というのも、例年より早い突然の大雪に、家の周辺は、早朝から車庫出しやゴミ出しの生活の痕跡がザクザック刻まれ、綺麗というより勇ましい風景が迫ってきたからでした。というわけで、札幌はすでに冬景色です。

さて、この日より始まったのが、今年で12回目となる「さっぽろアートステージ2016」。札幌駅と大通駅を地下で繋ぐ札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)を会場に、音楽・美術・演劇など多彩な分野の企画が、12月4日まで随時開催されます。そして今回、札幌国際芸術祭は、この「さっぽろアートステージ2016」のオープニングイベントで、連携企画「札幌・北海道のイベント仕掛け人によるクロストーク」を実施させていただきました。モデレーターとして参加した筆者が、様子をご紹介させていただきます。

札幌・北海道では、様々なジャンルのイベントが数多く実施されています。そしてSIAFでは、折角の札幌・北海道の夏を(芸術祭だけでなく)たっぷり楽しんでほしいと考えています。そこで、ジャンルの異なるイベントや団体の代表者をゲストとしてお呼びし、夏を一緒に盛り上げるブレストをイベントの紹介も交えてやってしまおう!という企画にしました。

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札幌国際芸術祭2017の紹介を前段に、まずはグラフィック・デザイナーの菊地和広さんが主催されている『NEVER MIND THE BOOKS』をご紹介いただきました。2011年より始まった『NEVER MIND THE BOOKS』は、今年で6回目を迎えるZINEのイベント。ZINEとは、自費出版の同人誌のことで、フリースタイルの小冊子といえるでしょうか。ちなみにZINEの語源はMagazineのzineから来ていると言われているそうです。初回は10組程の参加で始まったこのイベントも、いまでは60組を越える参加者が集まるようになったとか。例年はテレビ塔2階が会場となり、参加者の自由な発想で制作されたZINE、だけではなく小物やグッズも販売され、非常に盛り上がってきているそうです。

続いては、株式会社i-vacsの加藤沙笑さんから『NOMIPON!』のご紹介。『NOMIPON!』とは、狸小路界隈の飲食店をはしごしながら楽しむイベント。このイベントを主催しているのが株式会社i-vacs。ですが、実はこの会社、小樽商科大学近藤ゼミが運営する学生ベンチャーということで、当日プレゼンいただいた加藤さんもまだ学生。しかしながら、プレゼンではこの『NOMIPON!』が単に飲食を楽しむことが目的ではなく、学生ならではの視点や考えを生かし、「人と地域の架け橋となろう」という芯のある活動として展開していることがきっちりと説明されると、終了時、会場から拍手が起こりました。

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森嶋拓さんは、飛生芸術祭 TOBIU CAMPのディレクターです。SIAFとTOBIU CAMPはすでにこの夏から連携が始まっています。大友良英ゲストディレクターとマレウレウでSIAF2017企画メンバーのマユンキキさんとのトーク&ライブセッションが実施され、SIAF自体も紹介されました。

森嶋さんは今回改めて、これまでの飛生芸術祭の変遷を森作りの映像を流しながら紹介。木々の伐採をすることは、破壊ではなく、人が集まるコミュニティー、つまり森を作るという逆説的な活動が映像から魅力的に伝わってきます。キャンプファイヤーが象徴的なTOBIU CAMPの映像をみて、行ってみたくなった方も多かったと思います。

最後は、すでに多くの参加アーティストが滞在しているさっぽろ天神山アートスタジオ AIR ディレクターの小田井真美さんが登場しました。AIR とはアーティスト・イン・レジデンスのこと。このスタジオには国内外のアーティストが創作活動やリサーチのため一定期間滞在(レジデンス)しますが、これまでにはないユニークな方法でそのサポートを実践しています。無料休憩スペースがあることからも様々な人が集うこのスタジオは、アーティストだけでなく地域にも開かれたオープンな施設。そのため年を追うごとに利用者も増え、様々なアーティストが札幌・北海道の魅力を発見する拠点になりつつあるといえるでしょう。2014年5月にオープンした施設はすでに3年目。来年の芸術祭に向け、ますますにぎわっていく期待大!

それぞれのプレゼンが終わり、早速クロストークへ。

まずは、ゲストに他プレゼンに対しての感想をお聞きしました。すると、他全てのイベントを知っていたゲストはいなかったようで、ゲスト自身が新たなイベントを知る機会になったことが分かりました。

続いて、どのような連携が可能かという具体的なトピックに。「札幌・北海道の夏はただでさえイベントラッシュ。でも、もう日時が重なってしまうのは仕方が無いし、べつにそれはそれでいいのではと思っている。」という意見から派生して、共通意見として導き出されたのは、「全ては参加出来ないけれど、イベントがあることは知っておきたい。」「そういったプラットフォームがまだ存在していないので、そういった様々なジャンル横断のイベント情報が俯瞰出来る仕組みあればいいのでは。」というものでした。

最後に具体的なコラボレーションのためにはどうすれば良いのかの意見をいただきました。プレゼンを通じて、それぞれのイベントに非常に興味を持っていただいたことから、個別の案が出てきました。そのアイディアを聞いた後、まずは、何よりパーソナルな交流が確実な一歩に繫がるのではないかと感じました。今日のクロストークではゲスト同士が、初対面の状況からイベントと主催者を知り、このきっかけがイベント自体への参加に繫がり、未来のコラボレーションがはじまるように思います。

来年夏に向けて、SIAFでは引き続き色々な人々や企画、店舗と連携していければと思います。宜しくお願いします。

そして、トークに参加していただいたみなさん、ありがとうございました!

細川 麻沙美
細川 麻沙美
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