「札幌ってなんだ?」

2016.05.26

Daily SIAFをご覧の皆さんこんにちは。
SIAF2017バンドメンバーの漆 崇博(うるし たかひろ)と申します。

まずは自己紹介のコーナーです。

普段私は、一般社団法人AISプランニングという団体の代表として、小学校をアーティストの活動拠点として、様々な創作活動を展開するアーティスト・イン・スクール事業の運営・コーディネートを中心に、コミュニティスペースの運営や、アーティストの創作支援を目的とした札幌市の文化施設「さっぽろ天神山アートスタジオ」の管理運営などを行っています。

前回のSIAF2014では、事務局のプロジェクトマネージャーとして、ボランティア運営を軸に、参加型プロジェクトの拠点となった札幌市資料館の運営、旅プロジェクト(アートツーリズム)の企画などを担当していました。

個人的な話になりますが、私がSIAF2014に関わって良かったと思っていることのひとつに、札幌・北海道の歴史や都市の成り立ち、そして現状を改めて知ることができたということがあります。

なぜ自分は札幌で活動しているのか?

札幌でしかできないことは何だろう?

そもそも札幌ってどんな場所なんだろう?

芸術祭との関わりの中で札幌・北海道について知ることが、そうした自分が芸術文化に関わる活動を行う上で、常に抱えている疑問や課題をより明確にさせ、深く考えるきっかけになったと感じています。

そうした観点も相まって、2015年の春からは、次回の芸術祭に向けてスタートしたプロジェクト「SIAFラボ」の運営を担うことになり、現在に至っております。

今回は、その活動についてご紹介させていただきます。

このプロジェクトの目的は、「未来のための、札幌を拓く」をテーマに、さまざまなプログラムを通じて、芸術文化活動の担い手となる多彩な人々を繋ぎ、共に考え、学び合う場として機能すること。
札幌独自の芸術祭を実現するために、市民一人ひとりにとっての「札幌」を考え、発見、発信すること。
そして、札幌市内において主体的、自発的な活動を行う人々の拠り所となり、札幌らしい芸術文化活動が育まれるきっかけを生み出すことです。

と、堅苦しい表現をしておりますが、ざっくばらんに言えば「札幌ってなんだ?」ということみんなであれこれ考えてみよう!そして、発見したことをみんなで共有しよう!で、できることなら自分たちで何か取り組んでみよう!ということです。

そこで2016年度は、主に3つのプロジェクトを展開しています。

一つ目は、「SIAFラボ編集局」。

暮らしにまつわる「人・もの・こと」を題材として、 この土地ならではの情報を集め、編集、発信していくプロジェクトです。

ラウンジトークや編集会議を通じて、気になる活動をしているあの人のこと、知る人ぞ知る名品・ 名所、なぜか根付いている習慣ごとなど、札幌の文化を彩る要素を様々な角度から分析し、編集していきます。

2016年5月21日に、その第一回目の編集会議を開催。

SIAF2017のバンドメンバー佐藤直樹さん(アートディレクター)と、坂口千秋さん(コーディネーター)をゲストに迎え、約30名の参加者の皆さんと「札幌ってどんなところ?」「札幌には何がある?」などをテーマにミーティングを行いました。ゲストのお二人が火付け役となり、何を編集していくか、誰に向けて発信していくかなど、今後の編集局の方針について参加者の皆さんと考える機会となりました。

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今後も編集会議を重ね、今までになかった情報媒体を作ることにも挑戦していきたいのですが、果たしてどうなっていくのか、、、。

編集局として絶対にこうしていかなくてはいけないという明確なゴールは設定しておりません。まずは、文章を書くことが好き!写真を撮ることが好き!歴史に興味がある!札幌の穴場を探りたい!札幌が好き!札幌が嫌い!などなど様々な感覚を持った方にご参加いただきたい!!

二つ目に紹介するプロジェクトは、「ツララボ Bent Icicle project – Tulala」です。

「ツララ(氷柱)」は、雪国を象徴する自然の造形物のひとつ。その「ツララ」を一つのメディア(媒体)として捉え、アーティストや研究者がプロジェクトの中心メンバーとなって、アイデアを持ち寄り、ワークショップやイベントを通して雪国ならではの暮らしの可能性を検証・再考するプロジェクトです。

このプロジェクトは、2015年度の秋からスタートし、メディアアートや現代アートの勉強会を重ねながら、様々な実験を繰り返し、今年の2月にはその集大成として「垂氷まつり」を開催しました。ある人は、3Dスキャナーを駆使して実物のツララの形を採取し、さらに3Dプリンターを駆使してツララアクセサリーを開発したり、別なある人は、曲がったツララを自在に生み出すお手製の人工ツララ製造機のお披露目したり、小学生から大人まで様々な人が参加して一晩かけてツララを作りその美しさや長さを競い合うイベントなどを企画、実施しました。

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先に紹介した「SIAF編集局」が、札幌について「学ぶ・考える場」だとすれば、「ツララボ」は、「試す・体験する場」です。

冬が明け、春になったばかりですが、既に来季向けて活動をスタートしていますので、アートの実践やイベント運営に興味がある!プログラミングを学びたい!デジタル機器が好き!冬や雪が好き!逆に、札幌の冬をいまいち好きになれない方は是非ご参加いただきたいプロジェクトなのです。

さて、3つ目は、特別プログラムとして実施する「《一石を投じる》のこれから–パブリックアートについて学ぶ」です。

SIAF2014に出展され、芸術祭終了後は札幌市が所有することになったアーティストの島袋道浩さんの作品《一石を投じる》が、札幌市資料館の前庭に仮置きされていることは皆さんご存知でしょうか?

本プログラムは、この作品をこれからどうしていくのがよいか?ということに関して、島袋さんご本人が、毎回多彩なゲストを迎えて、公共空間におけるアート、パブリックアートについて学びながら、市民の方々と一緒に《一石を投じる》のこれからに話し合っていく全3回のミーティングです。

2015年度の最後にSIAFラボが開催した報告会の特別シンポジウムとして、美術ジャーナリストの村田真さんをお迎えして、本プログラムのキックオフ的なトークイベントを行いました。

村田真さんからは、これまでに世界各地で話題となったパブリックアート作品の事例から、世間の反応やその後の影響について、そしてアートそのものの社会的価値について触れ、《一石を投じる》のこれからを考えていく上での基本的な歴史認識を得る機会となりました。

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そして、2016年5月15日には、今年度の第一回目のプログラムを開催しました。

ゲストには建築家の青木淳さんをお招きし、建築的観点から、公共空間に作品を設置する上で前提となる物理的条件や、場所と作品の関係性について事例などを紹介し、パブリックアートの意義について考えました。また、事前アンケートを基に、参加者の方々の考えやアイディアについても意見交換を行いました。

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こうした議論を通じて、札幌市内に多数存在する公共空間の彫刻作品やモニュメントの存在価値について改めて捉え直していくことにもつながると考えています。個人的には、芸術祭というイベントも含め、そもそも公共とは何か?ということについて参加者の皆さんと一緒に考える機会になることを期待しています!

と、言うことで、2016年度のSIAFラボは、こうしたプロジェクトを通じて、札幌ってなんだ?というモヤモヤを抱えながら私たちが暮らす札幌を捉え直し、未来を拓いていくきっかけを生み出していきたいと考えています。

ぜひ気軽に札幌市資料館へ足をお運びください!
資料館の1階SIAFラウンジで、皆さんのお越しをお待ちしております!!!

*SIAFラボについての紹介ページ
http://siaf.jp/siaflab/

漆 崇博
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