レポート「大風呂敷サミット2017―大風呂敷ってそもそもなんだっけ?

2017.04.24

SIAF2017バンドメンバー兼プロジェクトFUKUSHIIMA!メンバーの坂口千秋と申します。もうひと月前(早い!)になりますが、3月19、20日に開催された大風呂敷サミット2017についてレポートします。大量の写真とともにご覧ください。

(撮影:表記のないものはすべて小牧寿里)

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さまざまな布を集め、縫ってつないで巨大なパッチワーク状に広げる大風呂敷づくり。2011年の福島からその後全国各地に広がり、札幌でも2014年、北3条広場での盆踊りから独自の大風呂敷チームが立ち上がって今に至ります。

サミットホストの札幌チームの入念な打合せ (撮影坂口)

各地の大風呂敷チームは、目的も主体も規模もさまざまです。でも同じ作業を通して互いの地域の行き来が始まるなど、最近は面白いネットワーク現象も起きています。そんな流れで、2014年に第一回「大風呂敷サミット」を品川で開催。今回はまさかの二回目です。

あいち、多治見、池袋、福島、猪苗代、札幌の主要メンバー約20名が札幌に集結して、濃い2日間を過ごしました。名付けて、

「大風呂敷サミット—そもそも大風呂敷ってなんだっけ?」

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東京池袋からフェスティバルトーキョー F/T (喜友名さん、荒川さん、岡崎さん)
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元祖大風呂敷、プロジェクトFUKUSHIMA!
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岐阜県多治見市から伊藤さん
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福島県猪苗代町からはじまりの美術館小林さん
名古屋あいちチームの新見さんと武藤さん
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八月祭の仕掛け人、札幌駅前通りまちづくり会社の白鳥社長、藤本さんと小西さん

大風呂敷、そもそもの話は、2011年の東日本大震災の直後の福島まで遡ります。

震災直後の福島市でプロジェクトFUKUSHIMA!が発足して、8月15日に福島市内で野外フェスティバルを開催します。(このあたりの話はプロジェクトFUKUSHIMA!のサイトに詳しく)

その放射線防護対策として、会場の芝生を覆うために始まったのが大風呂敷プロジェクトです。未来が見えない不安の中で、自分たちの手でフェスをつくり集う様を7ヶ月にわたり追った映画「ドキュメンタリープロジェクトFUKUSHIMA! 」は、当時のヒリヒリした空気感ごと映像に記録しています。サミットでは監督の藤井光さんをお呼びしてこの映画を上映しました。

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震災後の放射線対策として始まった大風呂敷でしたが、2012年以降は別の目的で続いていきます。2013年からフェスティバルが盆踊りになると、福島の外へ祭りの拡散が始まり、祭りのツールとして各地でも大風呂敷がつくられるようになります。もはや「放射能が、、」といった当初の目的は消え、かわりにバラバラなものがつながること、オープンさ、グルーヴ感、空間をハレの場に変えるビジュアルの力といった大風呂敷の特性が活かされながら、各々のスタイルで大風呂敷を利用しています。

ここまでが「大風呂敷ってそもそもなんだっけ?」のそもそもの話。

震災から7年目。「思えば遠く来たもんだ。」というプロジェクトFUKUSHIMA!小池さんのつぶやきに、一同大きくうなづきました。

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一方、SIAF2017では、これまで広げたどの地域よりも大きな大風呂敷を展開します!とゲストディレクターの大友良英さんがまさに「大風呂敷を広げ」たので、その大ミッションを受けて札幌の人々が日々奮闘しています。

2011年から意味も目的も変化し続ける大風呂敷、はたして2017年の今、大風呂敷をつくって広げることにいったいどんな意味があるの? 1日目午後のシンポジウム「大風呂敷はどこへ行く?」では、藤井光さんを交えて、全員で大風呂敷プロジェクトの自己検証を試みました。

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芸術としての大風呂敷、ツールとしての大風呂敷、現象としての大風呂敷…。藤井さんの鋭いツッコミによってさまざまな論点が浮き彫りになり、これは大風呂敷をめぐる初めての批評の場でもあったと思います。

さらに2日目の佐藤直樹さんを交えたディスカッションでは、計画段階の大風呂敷プランの図面やボツ案もすべて公開しつつ、どのように大風呂敷をSIAFで展開したら盛り上がるだろうかとぶっちゃけて、こちらも大変盛り上がりました。

サミットではみんなたくさん話しました。はじめての人もベテランもカメラマンも、みんな言いたいことを言いました。答えを決めるための話し合いというよりは、立場や意見が違う者がお互いを知ろうとする対話の時間だったように思います。

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札幌チームオリジナル企画「布BINGO♡」は大盛況!

午後にはみんなで10m✕10mの大風呂敷をつくるワークショップを行いました。全国の大風呂敷混合チームに札幌の人も加わって、約2時間で1枚が完成!これは歴代最速記録(に違いない)。

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各地の大風呂敷混合チーム。慣れた手つきでぐんぐん縫い上げます
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10×10m最後の直線縫い!
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大風呂敷の畳み方もみんな息があっててさすが!
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広げに行くぞー

夕暮れの大通り公園で、できたてホヤホヤの大風呂敷を広げてみました。外灯が灯り始めた夕暮れの時刻、雪まつりの残雪がちょっと荒んだ感じの大通り公園に彩りがふわりと生まれました。

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撮影:中崎透

朝から夜の二次会三次会まで、大い話し大いに笑い、大いに縫った2日間。対話と制作の両方を通して、このプロジェクトをみんなの手でまた少し更新できたかな。

「そのプロセスはもっと複雑にできると思うんですね」という藤井さんの言葉もありました。

こういうことが「芸術祭ってなんだ?」という問いへのひとつの返答なのかもしれないなと、あとから思いました。

大風呂敷プロジェクトは「みんなでつくる芸術祭」の最先端。SIAFという祭りをつくる現場にたくさんの方が関わってくれるといいなと思います。

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坂口 千秋
坂口 千秋
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