雪まつりの次は雪倉庫へ!平川紀道《datum》がいよいよ公開!

2017.02.16

約264万人が来場したという今年のさっぽろ雪まつりは2月12日で閉幕しました。天気にも恵まれ、最後までトット天女は可愛い笑顔で、《トット商店街》の全28公演を見守ってくれました。

その興奮も疲れも冷めやらないまま、本日からはモエレ沼公園の雪倉庫での展示が始まります。

見所は2つ。ひとつは、もちろん作品《datum》。そして、もうひとつは、雪倉庫。冬だからこそ使用できる雪倉庫の大きさとそのサイズを存分にいかし、巨大なスクリーンに《datum》が本日より公開されました!ですが、会期はたったの4日間。

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モエレ沼公園ガラスのピラミッド雪倉庫に展示された《datum》

アーティストは、ARTSATプロジェクトとSIAFラボによるモエレ沼公園を舞台とした新作《Sculpture to be Seen from Space, Improvisation to be Heard from Space. 宇宙から見える彫刻、宇宙から聞こえる即興演奏》のアーティスティックディレクターを担当する平川紀道さん。

今回、発表される《datum》は、すでに豊田市美術館で発表されていますが、新作です。それはなぜかというと、素材となる写真自体、平川さん自身が先月、極寒のモエレ沼公園で実際に撮ったもの。今回、動画にするにあたり、前回と同様のアルゴリズムを使用するものの、素材自体が今回のための特別バージョンとなるため、この雪倉庫が初の公開となる新作!となります。

では、この《datum》で、モエレ沼公園の写真画像は、どのような動画となるのでしょうか?平川さんの言葉によると、「デジタルカラー映像のピクセルは、画面上の位置を表す2つの座標、[x, y] (水平、垂直)と、3原色の混色によって色を表す [R, G, B] (赤、緑、青)、時間軸上での位置を表す [t]の6つの数字で表すことができるが、この6つの数字を6次元ユークリッド空間の座標と考えると、映像データを6次元の点の集合として、6次元ユークリッド空間上で回転することが可能となる。」

ムムム。。。なかなかすっと頭には入ってこない単語が並んでいます。

「6次元?6次元ユークリッド空間???」という、見慣れない言葉でちょっと引き気味の読者のみなさんの気持ちを察するかのように、実はこの作品の制作プロセスをじっくり知ることができるブログが公開されています。この作品は、平川さんが「メディア芸術クリエイター育成支援事業」という新作の制作支援に採択され、文化庁からの助成を受けて制作を進めているためです。

http://creatorikusei.jp/?p=2842 初回レポート
http://creatorikusei.jp/?p=2878 中間レポート
http://creatorikusei.jp/?p=2968 最終レポート

レポート内のアドバイザーとのディスカッションを通じて、少しでも、今回の《datum》という作品の根幹をなす考え方が伝わったでしょうか?
難しそう・・・。と思ったらやはりこれは見てみるしかない!

そして展示会場となるこの雪倉庫という施設、実はモエレ沼公園ガラスのピラミッドの、冷房に使用されている場所なんです。雪冷房システムというそうなのですが、夏場、温室のように高温となるガラス張りのアトリウムの空気を、外気や雪という自然の冷熱エネルギーを有効に利用して快適に保つ空調システムで、その冷房を担うのが、冬の間に積もった雪。この雪倉庫は、鉄筋コンクリート造で、高さは5.3m、延床面積639㎡。1735tの雪を貯蔵することができ、春間近にせっせと雪が詰め込まれるのですが、冬の間はガラ空き。この期間限定の展示空間を今回は存分に活用します。

冬の景色から作られた作品を冬だけしか公開されない場所で体験する。どのように皆さんの目と耳に迫って来るのでしょうか?
またとない機会です。お見逃しなく。

【開催概要】
2017冬季アジア札幌大会連携 創造都市発信事業
札幌国際芸術祭2017 アーティスト・プレビュー
平川紀道《datum》

日時:2017年2月16日(木)− 19日(日)11:00~17:00(入場は16:30まで)
会場・アクセス
モエレ沼公園ガラスのピラミッド雪倉庫
札幌市東区モエレ沼公園1-1
TEL:011-790-1231
地下鉄東豊線「環状通東駅」から北海道中央バス「東69番あいの里教育大駅前」行か「東79番中沼小学校通」行に乗車後、所要時間約25分で「モエレ沼公園東口」下車後、徒歩約15分。
http://moerenumapark.jp/
入場料:無料

クロージングトーク
「アート&サイエンスとしてのメディアアート」
日時:2月19日(日)13:00~14:30
会場:モエレ沼公園ガラスのピラミッド スペース1
入場料:無料
※事前申し込み不要、当日受付

■ 第1部 レクチャー「メディアアートの現在」
久保田晃弘(ARTSAT × SIAFラボ 代表/多摩美術大学教授)

■ 第2部 鼎談 「アート&サイエンスとしてのメディアアート」
坪井 あや (東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構)
久保田 晃弘(ARTSAT × SIAFラボ 代表/多摩美術大学教授)
平川 紀道(本展アーティスト)

主催:札幌市
企画運営:札幌国際芸術祭実行委員会
協力:公益財団法人札幌市公園緑化協会、株式会社プリズム、さっぽろ天神山アートスタジオ
助成:平成28年度メディア芸術クリエイター育成支援事業

細川 麻沙美
細川 麻沙美
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